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血圧の薬が原因?薬物性歯肉増殖症の症状と対策

更新日:6月7日

札幌市東区にある『東区みんなの歯科』です。当院では歯科訪問診療を行っております。

患者様、ご家族、介護事業所の皆様から頂いた質問に関してブログで説明しています。


本日は『薬物性歯肉増殖症』に関してお話します。


薬物性歯肉増殖症とは?


薬物性歯肉増殖症とは、特定の薬剤の服用に伴って歯肉(歯茎)が過剰に増殖する疾患です。この疾患は、歯肉が肥厚し、歯周ポケットが深くなりやすくなるため、歯周病のリスクが高まります。見た目にも影響を与え、食事や歯磨きが難しくなることがあります。


原因となる薬剤


薬物性歯肉増殖症を引き起こす可能性のある薬剤は以下の通りです:


・抗てんかん薬(例:フェニトイン)

・血圧の治療に使われるカルシウム拮抗薬(例:ニフェジピン、アムロジピン)

・免疫抑制剤(例:シクロスポリンA)


発症機序については多くの要因が関与しているため、完全には解明されていませんが、これらの薬剤が歯肉の増殖を誘発することが知られています。


症状と診断


薬物性歯肉増殖症の主な症状は以下の通りです:


・歯肉の異常な膨張や肥厚

・歯肉の赤みや出血、ひどい場合には貧血を引き起こす

・口臭、歯磨きや食事の際の痛みや不快感

・話しにくくなる


診断は、視診や触診、および薬剤服用歴の確認によって行われます。必要に応じて、腫瘍性病変と鑑別するために血液検査や病理検査を行うこともあります。


治療法と予防


薬物性歯肉増殖症の治療法には以下の方法があります:


1. 歯周基本治療:プラーク(歯垢)や歯石などの口の中の汚れが薬物性歯肉増殖症の発症、進行に関連する重要な要因といわれています。まずはブラッシング指導を行い、歯垢や歯石の除去を行って口の中をきれいにします。

2. 薬剤の変更:担当医師と相談して、原因となる薬剤の変更を検討します。

3. 歯肉切除:重度に進行して線維性の歯肉が増殖した場合、歯周基本治療のみでは改善が認められないことがあります。その場合は、歯肉切除術(歯肉の外科的切除)が行われることがあります。


大学院生の時に薬物性歯肉増殖症を発症した患者様を担当し、症例報告をする機会を頂きました。当時は今後出会うことはあまりないだろうと思っていましたが、実際に一般の歯科医院での勤務や歯科訪問診療に携わる中で、時折発症している方に会うことがあります。軽度の場合で早期に治療介入できれば大事には至りませんが、重度に進行してしまった場合は病状の進行が早く、抜歯しなければいけないことがあります。これらの薬剤を現在服用されている方、これから服用を始める方で定期的な歯科治療を行っていない方は一度歯科医師の診察を受けることをおすすめします。


参考文献

・米田栄吉:薬物性歯肉増殖症の発症機序を探る.日歯周誌,44 : 315-321, 2002.

・野口和行、中村利明、白方良典:特殊な歯周病の診断と治療.日歯保存誌,57 : 477-483, 2014.

・特定非営利活動法人日本歯周病学会:歯周治療のガイドライン2022.  https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_2022.pdf


訪問エリアは当院から16 km以内となっております。

・札幌市(中央区・北区・東区・白石区・豊平区・南区・西区・厚別区・手稲区・清田区)

・石狩市

・江別市

・当別町

・小樽市

詳細、お問い合わせは歯科訪問診療専門ホームページをご覧ください。



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