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入れ歯洗浄剤の選び方【歯科訪問診療部監修】

更新日:6月28日

札幌市東区にある『東区みんなの歯科』です。当院では歯科訪問診療を行っております。

患者様、ご家族、介護事業所の皆様から頂いた質問に関してブログで説明しています。

本日は、入れ歯洗浄剤についてお話ししたいと思います。


おすすめの入れ歯洗浄剤


おすすめの入れ歯洗浄剤を選ぶ際のポイント:


・ 商品に記載されている成分を参考にすること:成分表に記載されていない成分の効果や濃度については詳細がわからないため考慮していません。

・ 一晩浸漬することを前提とすること


上記のポイントを踏まえた上で、以下のような条件に適した入れ歯洗浄剤を選びました:


・コストパフォーマンスが良い:

 タフデント(小林製薬)、パーシャルデント(小林製薬)

・口腔カンジダ症と診断されたことがある:

 ピカ(ロート製薬)

・入れ歯洗浄剤の匂いが気になる:

 フィジオクリーン キラリ錠剤(ニッシン)

・多くの有効成分が入っているものを選びたい:

 スマイルデントプラス(モリムラ)


タフデント、パーシャルデント、ポリデントの有効成分はほぼ同じですので、セールで価格が安いものがあればどれを選んでも問題ありません。また、歯石防止剤が必要と考えてタフデントやパーシャルデントを選びましたが、後述の通り、歯石はプラークが石灰化したものです。義歯ブラシでの機械的清掃や超音波洗浄が適切にできて、汚れをしっかり取ることができる方であれば、歯石防止剤の必要性は減少します。この観点から、イオンの入れ歯洗浄剤も選択肢として検討する価値があります。

あくまで個人の意見ですので商品選びの参考にして頂ければ幸いです。


入れ歯洗浄剤

 

入れ歯洗浄剤は,その効果の主成分/有効成分から次亜塩素酸系,過酸化物系,過酸化物に酵素を添加したもの,酵素系,酸、生薬,界面活性剤,二酸化チタンに大別できます。今回比較している製品に関しては、ピカ(赤)が次亜塩素酸系、キラリが二酸化チタン、その他は過酸化物に酵素を添加したものに分類されます。次亜塩素酸は殺菌作用が強いですが、義歯を痛めやすい、酵素系は材料への影響は弱いが洗浄力は次亜塩素酸に劣るといったそれぞれの製品に長所、短所があるので患者様の現状(口腔衛生状況、年齢、安全性など)にあった製品を考慮して選ぶ必要があります。

 

成分


・発泡剤:炭酸塩、有機酸、重炭酸塩ナトリウム、クエン酸塩、重炭酸塩など。これらは、洗浄剤が水と反応して泡を発生させ、物理的に汚れを除去する役割を果たします。

・漂白剤:過硫酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸カリウム、過炭酸ナトリウムなど。これらは、汚れや着色を化学的に分解する効果があります。

・歯石防止剤:メタリン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸塩など。歯石は個人差や部位差がありますが、主成分の無機質(約80%)のほとんどは結晶化または無定形のリン酸カルシウムです。プラーク中の基質および細菌自体が石灰化して歯石となります(石灰化のメカニズムは完全に解明されていません)。歯石防止剤はリン酸カルシウムの結晶化を抑制し、歯石の形成を防ぐ効果があります。

・界面活性剤:陰イオン系界面活性剤(アルファオレフィンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなど)。これらは、汚れや油分を浮かせて除去する効果があります。

・漂白活性化剤:TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)。漂白剤の効果を高め、効率的に汚れを分解します。40℃・5分の浸漬で99.997%のカンジダ菌を除菌することから、カンジダ除菌の目的で配合されます。

・酵素:蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)やその他の酵素が含まれ、食べ物の残留物やバイオフィルムを分解します。

・防錆材:亜硝酸ナトリウムなど。金属部分の腐食を防ぐために使用されます。

・CPC(塩化セチルピリジニウム):殺菌、抗カビ作用を持った陽イオン界面活性剤です。

・IPMP(イソプロピルメチルフェノール):広範囲の殺菌性を持ち、細菌、酵母、カビ類等に作用します。

・二酸化チタン:主に光触媒作用により、汚れを分解し、抗菌作用を発揮します。


入れ歯洗浄剤の比較表


以下に、各入れ歯洗浄剤の比較表を示します。

(令和6年6月のメーカーサイトおよびAmazonの情報を基にしています)


商品名

販売元

液性

1錠の価格

発泡剤

漂白剤

界面活性剤

漂白活性化剤

歯石防止剤

防錆剤

酵素

Ag+

CPC

IPMP

主成分

タフデント

小林製薬

中性

5.28円




発泡剤(炭酸塩、有機酸)、酸素系漂白剤(過硫酸塩、過ホウ酸塩)、歯石防止剤、界面活性剤(アルファオレフィンスルホン酸塩)、漂白活性化剤(TAED)、酵素、防錆剤、賦形剤、香料、色素

パーシャルデント

小林製薬

弱アルカリ性〜中性

5.28円




発泡剤(炭酸塩、有機酸)、酸素系漂白剤(過硫酸塩、過ホウ酸塩)、歯石防止剤、界面活性剤(アルファオレフィンスルホン酸塩)、漂白活性化剤(TAED)、酵素、防錆剤、賦形剤、香料、消臭剤(DEOATAK)、色素

酵素入り 

ポリデント

GSK

中性

8.15円





発泡剤(重炭酸ナトリウム、クエン酸)、漂白・除菌剤(過硫酸カリウム・過炭酸ナトリウム)、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、漂白活性化剤(TAED)、酵素、結合剤(ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、セルロースガム)、滑沢剤(安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール)、安定化剤(炭酸ナトリウム)、香料、色素(青色1号アルミニウムレーキ、青色2号、黄色4合、黄色4合アルミニウムレーキ)

部分入れ歯用

ポリデント

GSK

弱アルカリ性

8.15円




発泡剤(重炭酸ナトリウム、クエン酸)、漂白・除菌剤(過硫酸カリウム・過炭酸ナトリウム)、歯石防止剤(メタリン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム)、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、漂白活性化剤(TAED)、酵素、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)、被膜形成剤(ポリジメチルシロキサン)、結合剤(ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、セルロースガム)、滑沢剤(安息香酸ナトリウム)、安定化剤(炭酸ナトリウム)、香料、色素(青色1号アルミニウムレーキ、青色2号)

商品名

販売元

液性

1錠の価格

発泡剤

漂白剤

界面活性剤

漂白活性化剤

歯石防止剤

防錆剤

酵素

Ag+

CPC

IPMP

主成分

ピカ

ロート製薬

弱アルカリ性

27.5円







カンジダ溶菌酵素(ザイモリエイス・ツニカーゼ)、タンパク分解酵素(アルカラーゼ 1.5MG TypeFG)、アルカリ一酸化剤

キラリ

ニッシン

中性

33円








発泡剤(炭酸塩、有機酸)、酸素系漂白剤、アニオン系界面活性剤、二酸化チタン、色素

スマイルデントプラス

モリムラ

中性

12円

発泡剤(炭酸塩、クエン酸)、酸素系漂白剤(過硫酸塩、過ホウ酸塩)、ポリリン酸塩、アニオン系界面活性剤、漂白活性化剤(TAED)、アルミノケイ酸塩(銀イオン含有)、 塩化セチルピリジニウム(CPC)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、酵素、 防錆剤、結合剤、流動改善剤、香料、色素 

Clesh 

入れ歯洗浄剤

addgood

中性

3.69円







発泡剤(炭酸塩・重炭酸塩・クエン酸)、酵素系漂白剤(過硫酸塩)、界面活性剤(アルファオレフィンスルホン酸塩)、結合剤、流動改善剤、酵素、香料、色素

酵素配合

入れ歯洗浄剤

イオン

中性

3.56円






発泡剤(クエン酸、炭酸塩、重炭酸塩)、漂白剤(過硫酸塩、過ホウ酸塩)、陰イオン系界面活性剤、漂白活性化剤、結合剤、滑沢剤、香料、酵素、色素

金属にやさしい

部分入れ歯用

入れ歯洗浄剤

イオン

弱アルカリ性

3.56円






発泡剤(クエン酸、炭酸塩、重炭酸塩)、漂白剤(過硫酸塩、過ホウ酸塩)、陰イオン系界面活性剤、漂白活性化剤、結合剤、滑沢剤、香料、酵素、色素

くらしリズム 酵素入り

入れ歯洗浄剤

ツルハ

中性

4.15円






発泡剤(重炭酸塩、クエン酸、炭酸塩)、酸素系漂白剤(過硫酸塩)、界面活性剤(アルファオレフィンスルホン酸塩)、結合剤、流動改善剤、香料、酵素、色素


まとめ


今回11種類の入れ歯洗浄剤を比較しましたが、その他にも様々な商品があります。基本的な成分は説明しましたが、各成分の効果を理解し、現状に合った入れ歯洗浄剤を選びましょう。


参考文献

・二川浩樹,浜田泰三ほか: 義歯洗浄剤. DE, 114: 19-30, 1995.

加藤熈: 新版最新歯周病学. 医歯薬出版株式会社, 2011.


訪問エリアは当院から16 km以内となっております。

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詳細、お問い合わせは歯科訪問診療専門ホームページをご覧ください。



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