【セラミックなど(保険外材料について)】
- 東区みんなの歯科staff
- 9月3日
- 読了時間: 8分
〜セラミック・ジルコニア・ゴールドなど〜
(保険外材料)
セラミックとジルコニアについて
種類と性質
• e-max:審美性が高く自然な透明感を持つセラミック材料です。前歯やつめものに適しています。
• ジルコニア:強い強度を持ちます。奥歯など力がかかる部位やブリッジにも使えます。種類によっては、天然歯に近い審美性を持ち、前歯にも使えます。
• ジルコニアレイヤリング:強度のあるジルコニアをフレームに使い、その上にセラミックを盛り上げて作ります。ジルコニアの強度とセラミックの透明感を兼ね備えています。
セラミックとジルコニアのメリット・デメリット
1. 審美性
• 天然の歯に近い白さ
セラミック、ジルコニアとも、天然の歯に近い白さを表現できます。特にセラミックは天然の歯に近い透明感を表現でき、なかなかかぶせものとはわかりません。劣化や変色もほぼないため安心して日々の生活を送れます。
• ブリッジも可能
歯がない部分を前後の歯を繋ぐことで補うブリッジという治療方法があります。このブリッジも白いものにすることができます。力のかかる下の歯の奥歯のブリッジ、下の奥歯は大きく口を開けると見えてしまうので、気にされる方も多いかと思います。強度のあるジルコニアを用いることで、一見してはわからない、白いブリッジを入れることができます。形や色が気になる前歯のブリッジも、形態や色調を周囲の歯と合わせて作ることができます。
2. 強度と耐久性
•金属に匹敵する強度
ジルコニアは金属に匹敵する強度を持っています。強い力がかかる奥歯や負担のかかるブリッジでも大丈夫です。しっかりと研磨して装着し、その後も必要に応じてメインテナンスをすることで噛み合う歯が天然の歯の場合もすり減りを防げます。
• 機械的耐久性と化学的耐久性
削れたり割れたりの強度、機械的耐久性はセラミック、ジルコニアともレジンより大きく優れています。特にジルコニアは機械的耐久性に優れています。レジンは着色変色や表面の劣化があり、保険治療の金属は酸化による劣化がありますが、セラミックやジルコニアにはそれらがなく、優れた化学的耐久性も持ち合わせています。
・長期的安定性
前述の優れた機械的および化学的耐久性によりセラミック、ジルコニアとも優れた長期安定性を持ちます。つまり、白くきれいに長く持ちます。
3. 生体親和性
• 金属アレルギーの心配なし
セラミック、ジルコニアとも金属アレルギーの心配はありません。またセラミックやジルコニアによるアレルギーもありません。
4. 経年変化
• 劣化しない
セラミックやジルコニアはほとんど劣化せず、着色やプラークの付着を防ぐことができます。日々のセルフケアも楽になります。
・変色しない
前歯のかぶせものが黄色に変色しているのを見かけることがあるかと思います。ジルコニアやセラミックではその変色が起こりません。
費用について
・保険治療より高い
セラミックやジルコニアは保険外(自費)診療のため費用がかかります。
つめもの | かぶせもの | |
e-max | 44000〜 | 69300〜 |
ジルコニア | 44000〜 | 69300〜 |
ジルコニアレイヤリング | 99000〜 |
※価格改定する場合があります。
6.歯を削る量
・少し削除量が多い
保険治療などの金属材料を使うときに比べ、歯を削る量が多くなる場合があります。これは金属よりも厚さを必要とすること、CAD CAM作製のため形態に決まりがあること、などが理由となります。神経のある歯の場合、削ることができる量には限りがありますので、おすすめできない場合もあります。
ゴールド(金合金)について
種類と性質
・14=18カラットの金合金を使用します。
※カラット(質量含有率を24分のいくつかで表記、純金は24カラット)
・優秀な金属である『金』の含有率が高いため、延性や展延性に優れ、酸化などの劣化もほとんどありません。
ゴールドのメリット・デメリット
1.延性、展延性
金は、金属の中では柔らかく、しなやかさを持つため歯に精密に適合します。硬さも適度で、強い力がかかると ”延びる” ことでうまく適合します。噛み合う歯を傷つけることもありません。長期間で考えると、人間の歯はすり減り、噛み合わせも少し変化しますが、ゴールドもある程度変形してついていくことができます。
2.金は優秀
ほとんど酸化しないため表面の滑沢、光沢を保ちます。そのためプラークが付着しにくく、二次的なむし歯のリスクが大きく下がります。
3.歯を大きく削らなくて済む
セラミックの場合、どうしても強度を持たせるために厚さが必要で、その分歯を削り込むことがあります。しかしゴールドの場合、金属なので薄くても問題ないため、あまり歯を削らずに済みます。さらに金の含有率が高いので、保険治療の金属よりも薄く、歯をより削らずに済みます。
ケースによってはセラミックよりもゴールドをすすめることがありますが、「できるだけ削らずに」、「できるだけ長持ちするものを」というのが大きな理由です。
4.金属色になる
ゴールドは金属です。当然ですが白い歯とは色が違い、場合によっては目立ちます。小臼歯以降の歯の治療におすすめします。しかし、時間が経つと黒っぽくなってくる保険治療の金属と違い、ゴールドは金色、黄色よりの色味なので、見えてもあまりマイナスなイメージを与えません。装飾品に多く使われることから高級なイメージもあります。
ゴールドの費用
つめもの(インレー)39600円〜時価
かぶせもの(クラウン)60500円〜時価
※使用する金属料によって価格は変動します
保険外(自費)治療のため費用がかかります。また金の含有率が高いため、治療時の金属価格によって治療費が変動します。
保険診療と自費診療(保険外)
• 素材
保険診療:金属+プラスチック(レジン)、金属、プラスチック
自費診療:セラミックやジルコニア、金合金
• 経年変化
保険診療:変色、劣化、破損します。レジン、金属とも劣化するとプラーク(歯垢)がつきやすくなります。劣化によるプラーク付着によりむし歯のリスクが上がります。
自費診療:ほとんど劣化せず、変色や破損のリスクがかなり低くなります。プラークがつきづらく、むし歯のリスク低減、また日々のセルフケアもしやすくなります。
• 費用
保険診療:医療保険でカバーされるため比較的安価(負担割合は0〜3割)です。
自費診療:全額負担となるため比較的高額(44000〜)になります。
自費診療(保険外) | 保険診療 | |
材料 | セラミック、ジルコニア、ゴールド | レジン、金属(金銀パラジウム合金、銀合金) |
経年変化 | ほぼなし | あり |
費用 | 44000〜 | 医療保険適用 |
よくあるご質問
Q: セラミックとジルコニア、どちらが自然に見えますか?
A: セラミック(特にe-max)は透明感が高く、前歯など自然な見た目が求められる部位に適しています。一方、ジルコニアは光を通しにくいですが、強い白さと金属に匹敵する強度を持ち合わせています。
Q: セラミックは割れやすいと聞きました。本当ですか?
A: セラミックは透明感が高い反面、ジルコニアに比べると衝撃にはやや弱いです。ただし、通常の使用では問題なく、適切に装着すれば十分な強度があります。ジルコニアはさらに強度が高いので、噛む力が強い奥歯におすすめです。
Q: 保険治療と比べて、なぜ自費のセラミックやジルコニアは高いのですか?
A: 高品質な素材を使い、審美性や耐久性が高いこと、また、歯科技工士が精密に製作するためです。長持ちするので、結果的にコストパフォーマンスが良い場合もあります。
Q: 金属アレルギーがあるのですが、セラミックやジルコニアは大丈夫ですか?
A: はい、セラミックとジルコニアは完全に非金属なので、金属アレルギーの心配はありません。
Q: セラミックやジルコニアの歯はどうやってお手入れすればいいですか?
A: 普通の歯と同じようにブラッシングやフロスを使ってください。ただし、研磨剤の強い歯磨き粉は避けると良いです。定期検診も忘れずに。
Q: セラミックやジルコニアの寿命はどのくらいですか?
A: 適切なケアをすれば10年以上持つことが多いです。ジルコニアは特に耐久性が高く、さらに長持ちする場合もあります。
Q: 前歯や奥歯のどちらにも使えますか?
A: はい、どちらにも使用できます。前歯には審美性の高いセラミック、奥歯には強度が求められるジルコニアが適しています。
Q: セラミックやジルコニアの治療中、痛みはありますか?
A: 神経のある歯の場合、治療時には麻酔を使うため、痛みを感じることはほとんどありません。接着性セメントを用いて歯に接着するため装着後も症状が出ることはほとんどありません。違和感がある場合も調整可能です。
Q: 保険の銀歯と比べて何が違いますか?
A: セラミックやジルコニアは審美性が高く、金属を使用しないためアレルギーリスクもありません。また、耐久性も保険の素材より優れています。
Q: セラミックやジルコニアの治療にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 通常2~3回の通院が必要です。型取りや技工士による製作、装着のための工程があります。